rTMS療法

rTMS

About rTMS

反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)とは?

反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)とは?

専用の医療機器を用いて、脳に繰り返し磁気刺激を与えることで、特定の脳の活動を変化させ、うつ病の症状を緩和する治療です。
米国をはじめとした海外で、うつ病の治療に広く実施されています。
日本国内では約60の医療機関で実施されています。

対象となる患者様

十分な薬物療法を受けたにも関わらず、治療効果が得られない中等症のうつ病の患者様を対象としています。

rTMS療法が禁忌となる患者様

磁石に反応する金属が頭部にある方、ペースメーカーを使用中の方は、治療を受けることができません。
てんかん発作がある方、妊娠中の方などは、治療を受けることができない可能性があります。

rTMS療法が適応外となる患者様

1. 18歳未満の若年者
2. 同一の抑うつエピソードにおいて、過去にrTMS療法を受けたことがある場合
3. 明らかな認知症や器質性あるいは症状性の気分障害を呈する場合
4. 以下に挙げる疾患などにおいて、うつ病エピソード(中等症以上)の診断基準を満たさない不安抑うつ症状を示す場合
・適応障害を含む神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害
・成人の人格および行動の障害
・広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)
・多動性障害(注意欠如・多動性障害)
5. 復職支援デイケア(リワーク)などに参加可能な程度に回復(寛解)している中等症以上のうつ病エピソードの場合
6. 精神病症状をともなう重症エピソード、切迫した希死念慮や緊張病症状など電気けいれん療法が推奨される症状を示す場合
7. 抗うつ薬の著しいアドヒアランス低下をともなう場合(抗うつ薬による顕著な副作用による低耐性はrTMS療法の適応となる)
8. 精神作用物質あるいは医薬品使用による残遺性感情障害を示す場合

上記の適応外基準に該当しない場合でも、安全にrTMS療法を受けていただくことが難しいと判断される場合は、適応になりません。

Flow

受診までの流れ

当院で診察を受けている患者様

01

担当の医師に相談ください。

受診までの流れ

他の病院・クリニックで診察を受けている患者様

01

かかりつけの医師に相談してください。

02

当院受診の承諾が得られたら、主治医に診療情報提供書の作成を依頼し、当院(佐世保北病院)外来を予約をしてください。

03

当予約方法は電話となります。rTMS療法を希望とお伝えください。
TEL:0956-47-2332 r-TMS担当

04

治療終了後、元のかかりつけの医師の病院・クリニックに戻っていただきます。

Side effects

副作用について

反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)によるうつ病治療では、まれに頭痛、刺激部位の疼痛・不快感、けいれん発作などの副作用が見られることがあります。
副作用が気になる場合には、主治医にご相談下さい。

頻度の高い副作用(30%前後):頭皮痛・刺激痛、顔面の不快感
※ほとんどが刺激中に限定した副作用で、刺激強度を下げることによって軽減されます。

頻度の少ない副作用:聴力低下、耳鳴りの増悪、めまいの増悪、急性の精神症状変化(躁転)、認知機能変化、局所熱傷など
※治療を要する躁転のリスクは、1%弱と報告されています。

重篤な副作用(0.1%程度):けいれん発作
※抗うつ薬によるけいれん発作の発生率(0.1~0.6%)と比較しても、大きな差はなく、けいれん誘発リスクが特別に高いというわけではありません。

その他

・入院治療で、6週間程度となります。
・現在服薬しているお薬は、rTMS療法による治療中もそのまま服用できます。(BZD等を除く)

ここから・なび

薬物療法を行なってもうつ病が改善しない方をサポートするWebサイトです。
rTMS療法について紹介されているほか、rTMS療法を実施している医療機関の検索も可能です(当院も掲載されています)。

【参考映像】国立精神・神経医療研究センター